【開催レポート】ペットフードのひ・み・つ/添加物などの噂話について
ペットフードについてのセミナーを開催しましたので、内容を一部ご紹介します。
11月17日(土)にペットフードのひ・み・つと題した飼い主様向け院内セミナーを開催いたしました。ペットフードについて皆様がどれだけ興味があって、愛犬・愛猫のために少しでも良いものを与えたいというお気持ちがとても伝わってきました。今回、ペットフードメーカーの獣医師2名にお越しいただき、主に3つのパートに分けてお話しいただきました。
①ペットフードの製造方法
ドライフードとウェットフードの各々の特徴と製造工程についてのお話です。中でもウェットフードはドライフードと比べてカロリーが低いという点で、驚かれている方が多いように感じました。
ドライフードは水分が1割程度しか含まれないのに対し、ウェットフードは7~8割含まれます。そのため、同じ重量を与えてもカロリーは低いため、ボリュームを落とすことなくダイエットするのに適しています。
このようにウェットフードメリットを利用しながらダイエットをご希望される場合、厳密にカロリー計算をした方が勿論上手に痩せられますので、一度ご相談いただければと思います。(今与えているドライフードにウェットフードを乗せただけでは痩せません。。。)
またウェットフードはその見た目から油分が多いという誤解が多いそうで、実は缶詰を開けたとき表面にトロッとしたりぴかっとしたりしているお汁の部分は主にとろみ成分(炭水化物)で出来ているという点にも驚かれているようでした。
②ペットフードの法律や規約について
昔から愛犬・愛猫を飼っていらっしゃる方にとっては、最近になってペットフードに関する法律ができたこと、むしろ今まで何も法律で定められていなかったことに衝撃があるかもしれません。
2009年6月に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」が施行され、ペットフードに関連する「表示についてのルール」や含まれる「添加物などの成分の基準」が定められ、輸入・販売する会社にも安全性を確保しているかの確認のため抜き打ち検査が行われることになりました。
※詳しくはこちら:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/files/gaiyo.pdf
2009年の法律ができるまでは、何もルールがなかったのかというとそうではなく、ペットフードの業界団体である「ペットフード公正取引協議会」により、規約が設けられ、主に大手の会社さんを始め複数の会社がこちらに加入されお互い手をつないでペットフードの安全にかかわるこのルールを守ってきたという歴史があります。
③ペットフードについての噂あれこれ
インターネット、SNSの普及により様々な情報(と言って良いのか、ただの噂話なども含め)が真偽も不明なまま拡散している現状があり、ただただ飼い主様の不安をあおっているようなところがあるな~と思っていたのですが、それらを1つ1つ実際はどうなんだ、という考え方をレクチャーしていただきました。
なかでも添加物についての噂が多いのですが、塩でも砂糖でも同じ考え方で何でも過剰はよろしくない、一方で「一生使い続けても問題のない量」というのもある。ペットフードにはその後者の量の範囲の中で使っているとのことした。
先程ご紹介したペットフードの法律の中でも、一部の添加物には上限値を設けられています。逆に言えばここまでの範囲であれば使ってよいという判断で法律上記載があるということになります。
この他にもはやりの穀物フリーってどうなんだ、など、盛りだくさんにお話しいただき、あっという間の1時間でした。そして、飼い主様からの質疑応答もとても盛り上がり気づけばトータルで1時間半の院内セミナーとなりました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
また、定員を超えたお申込みがあり、お部屋の広さに制限があるため参加できなかった方、大変申し訳ありません。こちらで一部ご紹介させていただきましたが、何かご不明な点がございましたらご来院の際には遠慮なくお声かけください。
今後もこのような形で情報発信していければと思います。